文系醫學生の記録

北海道大學醫學科學生井上大輔が書いてゐます.

解剖学ラテン語講座 名詞第3曲用

単数主格 単数属格 複数主格 複数属格
子音幹男性・女性 いろいろ -is -es -um
子音幹中性 いろいろ -is -a -um
純粋i幹男性・女性 いろいろ -is -es -ium
純粋i幹中性 いろいろ -is -ia -ium
混合i幹男性・女性 いろいろ -is -es -ium
混合i幹中性 いろいろ -es -a -ium

名詞の上の表のような曲用を「第3曲用」と称する。第3曲用は大きく「子音幹」「純粋i幹」「混合i幹」の三つに分類される。さらにこの三つがそれぞれ「男性・女性」と「中性」に分かれる。

これから、名詞の主格・属格を見て子音幹か純粋i幹か混合i幹かを判断する方法を述べる。このためにまず、「語幹の最後の子音字」という術語を導入する。この術語は、ある名詞の単数属格形において、 -is とその直前の母音字の挟む子音字を指す。例えば、

・「lex, legis」(法) の語幹の最後の子音字は g である。

・「labor, laboris」 (労働)の語幹の最後の子音字は r である。

・「urbs, urbis」(都市) の語幹の最後の子音字は rb である。

子音幹

子音幹に属する名詞は、次の特徴を両方持つ。

・単数主格と単数属格で音節数が異なる。たとえば「lex, legis (法)」「labor, laboris (労働)」「flumen, fluminis (花)」がそれである。

・語幹の最後の子音字が1字であること。たとえば上に挙げた「lex, legis」(語幹の最後の子音字はg)「labor, laboris」(語幹の最後の子音字はr)「flumen, fluminis」(語幹の最後の子音字はn) は全てこれにあてはまる。

純粋i幹

純粋i幹に属する名詞は、次に挙げるものに限られる。

・次の6つの女性名詞

turris, -is 塔

febris, -is 熱

puppis, -is 船尾

securis, -is 斧

sitis, -is 渇き

vis, -is 力

・-is で終わる川、都市

・-ar, -al, -e で終わる中性名詞

混合i幹

混合i幹に属する名詞は、次の特徴のいずれかを持つ。

-is, -es で終わる男性・女性名詞で、単数主格と単数属格で音節数が等しい。

例えば

・civis, -is 市民

・clades, -is 損害・敗北

・finis, -is おわり

・caedes, -is 殺戮

単数主格・単数属格で音節数が異なり、かつ、語幹の最後の子音字が2字以上ある。

例えば

・urbs, -bis 都市

・mens, -ntis 精神

・os, ossis 骨

・mons, -ntis 山

・nox, noctis 夜

・frons, -ndis 葉

まとめ

第3曲用の名詞を見たら、まず、純粋i幹かどうかを判別する。

純粋i幹でないことがわかったら、次に、単数主格と単数属格の音節数を見る。もしこれが等しければ、混合i幹である。

もし音節数が異なれば、語幹の最後の子音字が1字ならば子音幹である。2字以上ならば混合i幹である。

謝辞

本エントリを書くために、

Amazon.co.jp: 標準ラテン文法: 中山 恒夫: 本

を参照しました。いま日本語で読めるラテン語の文法書のなかで、名詞第3曲用の解説はこの本が最も優れていると思います。私が読んだ本のなかで、この本は唯一、子音幹・純粋i幹・混合i幹を判別する方法を明晰に書き下していた本です。

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