読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

文系醫學生の記録

北海道大學醫學科學生井上大輔が書いてゐます.

ある日の不安

高校生のとき,Z會の現代文の添削問題で,「日本では大學教育が日本語で行はれてゐる.當たり前のやうに見えるだらうが,母語高等教育のできる國は實は稀である」といつた趣旨の文章を讀んだ.母語とは言ふが,學術用語の大半は漢語である.漢語を「母語」に入れてきたから,かかる日本語の榮光があるのだ.日本語から漢語が消えたら,日本語では鳥や花や天氣のことくらゐしか話せなくなる.それほどまでに,日本の學問は中國に恩恵を受けてゐる.

私の專攻する醫學では,術語における漢語の割合がどんどん減少してゐる.もはや,日本の醫學者は英語の術語を漢語に譯さうとはしない.Alphabet をカタカナに直してそれで終はりである.「母語高等教育をしてゐる」といふ看板は,醫學・生命科學においてはもはや取り下げる時期が近づいてゐる.

本當に,大丈夫なのか.

我が國は,本當に中國から獨立できるのか.

そんな不安をある晝に講堂で突然に覺えたのである.

広告を非表示にする