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文系醫學生の記録

北海道大學醫學科學生井上大輔が書いてゐます.

舊かなづかひの論理 「感じる」か「感ぢる」か

舊かなづかひの學習を始めたころ,「論じる」「感じる」を「論ぢる」「感ぢる」と書きさうになることがしばしばあつた.そのたびに辭書を引いて調べてゐた.

しかし,これらは,次の順序で考へれば,丸諳記しなくても濟む.

日本語では,外來語は全て名詞になる.

「フレッシュ」「アクション」「リード」等,いかなる外來語も,日本語に入つた途端に名詞になる.原語での品詞は全く關係しない.

名詞は,サ變動詞に轉用できる.

「目隱し」「テープ」を「目隱しする」「テープする」とするように,名詞にサ行變格活用の語尾を附ければ,すぐに動詞に轉用できる.

漢語も外來語である.

學校教育では,日本語の語彙を和語・漢語・外來語に3分する.しかし,和語かさうでないかで分類するならば,漢語は外來語に入り,和語・外來語の2分になる.この2分で考へた方が見通しの良い問題がある.

漢字1字の語も漢語である.

漢語と言ふと「思想」「勤勉」「鉛筆」のやうな2字語が目立つが,「論」「感」といつた漢字1字も,これを音讀みする限りは漢語である.

サ行變格活用は「ザ行變格活用」になることがある.

「論ず」「感ず」「歎ず」「詠ず」「散ず」といつた動詞の活用表は,サ行變格活用の活用表のサ行の字に濁點を附けたものになる.これらは音の調子によつてサ行がザ行になつたものであつて,サ行變格活用の一種として扱はれる.

「ザ行變格活用」の終止形の語尾は,文語では「ず」,口語では「じる」になるものがある.

文語での「論ず」「感ず」「歎ず」「詠ず」「散ず」は,口語では「論じる」「感じる」「歎ず」「詠ず」「散ず」になる.「論じる」「感じる」のやうに口語でもよく使ふ動詞は活用が口語化してゐるが,「歎ず」「詠ず」「散ず」のやうに口語であまり使はぬものは,文語の活用のまま殘つてゐる.

「感じる」「論じる」は「ザ行變格活用」!

これらの動詞はサ行變格活用の變形である「ザ行變格活用」に從ふのだから,語尾はザ行の字で書く.「感ぢる」「論ぢる」とダ行の字を使ふことは決してない.

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