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文系醫學生の記録

北海道大學醫學科學生井上大輔が書いてゐます.

卒業・就職の時期に思ふ

學校を卒業して就職する人が身のまはりに多く現れる時期になつた.

昔,身近な人が一人,卒業・就職してしばらくして,自殺した.自殺までゆかなくとも,二十代の前半といふのは,怪我や病氣の多い時期である.厄年なるものが設定されてゐるだけのことはある.世界で何事かを爲さむと意氣込んで就職した矢先にままならぬ事情で進路の變更を迫られ氣の毒に思つた例も多い.

前段落の經驗により,私は,卒業・就職の人に「頑張つて」とはとても言へない.かと言つて,「頑張るぞ!」と決心してゐる人に「頑張るな」とも言へない.そもそも,他者に極力指圖をせず,他者の良心に極力干渉しないといふのが私の方針である.死ぬことによつて完成した事業や修行といふのも,歴史上やはり存在したと思つてゐる.他者が良心によつて熟慮の末にそれを選擇して實行しようとするならばそれを尊重しなければいけないと考へてゐる.

なので,私自身がどうしたいかだけを記しておかうと思ふ.他者には贊同も同調も求めないが,何かの影響をもたらすことがあれば良いと思ふ.

私は死にたくないと願つてゐる.死んでしまつたら,私が養つてきた才能,私が受けてきた教育をもう二度と世界と他者のために使ふことができなくなつてしまふ.なので,損をしても,恥をかいても,思ひ通りにならぬことが多くとも,自分の思想の破綻,思想と行動の矛盾に氣づいてしまつても,まづは圖々しく,かつふてぶてしく,生きてゆかうと思つてゐる.

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